2008年 05月 26日
李登輝学校四日目 (留学二百七十一日目) |
李登輝学校最終日は、待ちに待った李登輝前総統じきじきの講演。もちろんテーマは今回の選挙の見方と今後の台湾について。選挙前は台湾の状況を、台湾の危機=「ハンチントン現象」との警鐘を鳴らしていた李登輝前総統が選挙後にどのような話しをしてくださるのか興味津々である。
ちなみに、「ハンチントン現象」とは、ハーバード大学のサミュエル・P・ハンチントンが指摘する、①民主化に参加した人間が政権を握った後に腐敗し、②反民主主義を唱える政党が選挙で勝利し、③行政部門が立法部門に無断で権力を行使し、④施政者が人民から参政権や自由権を奪うという、民主化に向かった国が反民主国家になるという現象のこと。ただし、真逆のようで似ている国民党と民進党をそのまま当てはめることができるかどうかは、まだまだ研究しなければなんともいえないところである。
ともあれ、選挙直前には謝長廷支持を表明した李登輝前総統であるが、選挙後は馬英九にもエールを送っており、その発言を聞くと短期的な権力闘争ではなく台湾の長期的発展への道筋を見ていることがよくわかる。
今回の講演も、「私も国民党主席だった」と国民党に対する批判の牽制から始まり、いま以上は悪くならないほどに民主主義は後退し国民投票も憲法も独立も変えることができなくなったと民進党への不満を表明する。台湾の今後については、日本の沖縄返還交渉を例に挙げながらアメリカの戦争法を研究し人と人の外交で努力すれば大丈夫との見方を示した。また、台湾のアイデンティティフィケーションについては、出エジプトを引き合いに出しながら40年の月日が必要とお馴染みの自説を披露した。
参加者らにとって最大の関心のひとつ、馬英九をどう見るかについて、親中派ではないかとの懸念を一笑に付す。「馬英九はアメリカの影響を大きく受けている。連戦らの保守派とは違う。第一はアメリカ、第二が中国という位置づけだろう」との見解を示した上で、就任式で日本に触れなかったことに苦言を呈した。また、92年コンセンサスについて、内容自体には問題があるとしながらも話し合いのきっかけとしては評価できるということであった。
李登輝が馬英九を評価するポイントは、南部の農村や漁村を泊まり歩いたロングステイ。台湾の農民の苦しさを学び現場を知るとともに、正直さやクリーンさを知ってもらおうという馬英九の姿勢は、南部での馬英九支持者獲得に繋がったというのは各方面で言われているが、農業経済学の専門家であった李登輝元総統の口から出ると重みが違う。
ちなみに、「ハンチントン現象」とは、ハーバード大学のサミュエル・P・ハンチントンが指摘する、①民主化に参加した人間が政権を握った後に腐敗し、②反民主主義を唱える政党が選挙で勝利し、③行政部門が立法部門に無断で権力を行使し、④施政者が人民から参政権や自由権を奪うという、民主化に向かった国が反民主国家になるという現象のこと。ただし、真逆のようで似ている国民党と民進党をそのまま当てはめることができるかどうかは、まだまだ研究しなければなんともいえないところである。
ともあれ、選挙直前には謝長廷支持を表明した李登輝前総統であるが、選挙後は馬英九にもエールを送っており、その発言を聞くと短期的な権力闘争ではなく台湾の長期的発展への道筋を見ていることがよくわかる。
今回の講演も、「私も国民党主席だった」と国民党に対する批判の牽制から始まり、いま以上は悪くならないほどに民主主義は後退し国民投票も憲法も独立も変えることができなくなったと民進党への不満を表明する。台湾の今後については、日本の沖縄返還交渉を例に挙げながらアメリカの戦争法を研究し人と人の外交で努力すれば大丈夫との見方を示した。また、台湾のアイデンティティフィケーションについては、出エジプトを引き合いに出しながら40年の月日が必要とお馴染みの自説を披露した。
参加者らにとって最大の関心のひとつ、馬英九をどう見るかについて、親中派ではないかとの懸念を一笑に付す。「馬英九はアメリカの影響を大きく受けている。連戦らの保守派とは違う。第一はアメリカ、第二が中国という位置づけだろう」との見解を示した上で、就任式で日本に触れなかったことに苦言を呈した。また、92年コンセンサスについて、内容自体には問題があるとしながらも話し合いのきっかけとしては評価できるということであった。
李登輝が馬英九を評価するポイントは、南部の農村や漁村を泊まり歩いたロングステイ。台湾の農民の苦しさを学び現場を知るとともに、正直さやクリーンさを知ってもらおうという馬英九の姿勢は、南部での馬英九支持者獲得に繋がったというのは各方面で言われているが、農業経済学の専門家であった李登輝元総統の口から出ると重みが違う。
by TaiwanBlog
| 2008-05-26 20:30
| 民国97年5月